編集部コラム 進路

「とりあえず大学」でいいの?資格と技術が将来の安心をつくる【進路の本音】

2026年5月30日

2026年5月|plusLINK編集部

対象:進路に迷っている中学生・高校生と保護者の方 | 所要時間:約6分

「大学には行っておいた方がいい」——そう言われて育った世代の親御さんが、今の子どもたちに同じ言葉を伝えています。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。「なんとなく大学へ」という進路選択が、本当にその子の将来を守ることになるのか、と。

これは工業高校を勧めているわけでも、大学進学を否定しているわけでもありません。「目的を持った進路選択」の大切さについて、地域に根ざしたウェブ制作会社として、岩手の中学生・高校生と保護者の方に伝えたいことがあります。

大学進学率は上がったのに、なぜ「学歴の価値」が揺らいでいるのか

日本の大学進学率は2023年に57.7%を超えました。2人に1人以上が大学に進学する時代です。かつて大学卒業が「就職の切り札」だった時代とは、状況が大きく変わっています。

📊 現在の就職・進学データ(2024〜2025年)

大学新卒の求人倍率1.71倍
工業高校新卒の求人倍率27.2倍
大学卒業後3年以内の離職率約32%
工業高校卒業後3年以内の離職率16.3%
高卒(技術・技能系)初任給全国平均20.9万円

数字が示しているのは、「大学を出ればどこかに就職できる」という時代の終わりです。一方で工業高校や高専を卒業した技術者は、企業から引く手あまたの状況が続いています。

「大学に行ったけれど、やりたいことが見つからなかった。4年間と数百万円を使って、結局スタートラインに戻った気がする」

— 大学卒業後、地元に戻った20代の声(取材より)

これは珍しい話ではありません。目的のないまま大学に進学し、4年間モラトリアムを過ごしたあとに「自分が何をしたいかわからない」という状態で就職活動をする。その結果として早期離職が起き、また迷走する——そういう循環が、今の若者の間で静かに広がっています。

「手に職」は古くない。むしろ今こそ最強の安心材料

「手に職」という言葉は古くさく聞こえるかもしれません。でも本質は変わっていません。「この人がいなければ仕事が回らない」という状態を作ることが、どんな時代でも働く人の安心につながります。

第二種電気工事士の資格を持っていれば、日本中どこに行っても仕事があります。施工管理技士の資格があれば、建設現場で必要とされ続けます。機械を動かせる技術者は、製造業が存在する限り需要がなくなりません。

資格・技術が持つ「再現性」:学歴は一度しか使えませんが、資格・技術は何度でも使えます。転職しても、地方に移っても、その人についてくる。これが「手に職」の本質的な強さです。

岩手県内の工業高校では、在学中に複数の国家資格を取得する生徒が多くいます。第二種電気工事士・危険物取扱者・CAD利用技術者・測量士補——これらは18歳の時点で「履歴書に書ける実績」です。4年間大学に通っても同じ資格が取れるとは限りません。

岩手で「技術を持って働く」ことの意味

岩手県は製造業・建設業・農業・水産業・電力・通信インフラなど、技術を必要とする産業が地域経済の根幹を担っています。東北電力・NTT・建設会社・製造工場——これらは岩手から消えることのない産業です。

一方で、「とりあえず大学」を出た文系卒業生の就職先として多いのは、販売・サービス・営業職です。これらの職種は景気変動の影響を受けやすく、AIへの代替も進んでいます。

岩手の地域産業を支える技術者は、今後も確実に必要とされます。地方で生きていくうえで、技術・資格は学歴よりも「強い武器」になる場面が多いのです。

💡 plusLINKが日々感じていること:私たちはウェブ制作会社として、岩手県内のさまざまな企業の採用活動を支援しています。製造業・建設業・インフラ系の企業担当者から「工業高校・高専出身者が欲しい。即戦力になる」という声を何度も聞いてきました。一方で「大卒を採用したが3年で辞めてしまった」という声も同様に聞きます。現場で起きていることを見ていると、学歴と仕事への適性は必ずしも一致しないと感じます。

「目的を持った進路選択」とは何か

私たちが伝えたいのは「大学に行くな」ではありません。「なぜ大学に行くのか」を言葉にできる状態で進学してほしいということです。

医師・研究者・弁護士・教師・エンジニア(大卒以上が必要な職種)を目指すなら、大学進学は明確な目的を持ったルートです。その場合は全力で応援します。

でも「大学に行かないと就職できないんじゃないか」「みんな行くから」「親が行けと言うから」という理由なら、一度立ち止まってほしいのです。

  • 工業高校で電気工事士の資格を取って、地元のインフラ企業に就職する
  • 高専で5年間学んで、岩手大学の工学部3年次に編入する
  • 専門学校でITの技術を学んで、地元のシステム会社に就職する

これらは「大学に行かなかった負け組」のルートではありません。明確な目的を持って技術を身につけ、地域で必要とされる人材になるルートです。

保護者の方へ

お子さんの進路を考えるとき、「大学に行かせてあげたい」という気持ちは親として自然なことです。でも、その先を少しだけ想像してみてください。

4年間・400〜600万円を使って大学を卒業したあと、やりたいことが見つからず、転職を繰り返すお子さんの姿——それは本当に望む未来でしょうか。

工業高校や高専を選んだ18歳が、資格と技術を武器に地元企業に就職し、20代半ばには安定した収入と確かなキャリアを持っている——そういう人生設計も、十分に「成功した進路選択」です。

進路選択に正解はありません。でも「なんとなく」で選んだ進路は、後悔のリスクが高い。

大切なのは、お子さん自身が「自分はなぜこの道を選ぶのか」を言葉にできること。そのための情報と選択肢を、このサイトでできる限り提供していきたいと思っています。

工業高校でも、大学でも、高専でも、専門学校でも——目的を持って選んだ進路は、必ずその人の力になります。

plusLINK編集部(株式会社プラスリンク・岩手県盛岡市)

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plusLINK編集部
株式会社プラスリンク(岩手県盛岡市)

岩手県盛岡市を拠点とするウェブ制作会社。地域に根ざしたデジタルマーケティングを手がけながら、岩手・東北の高校生・受験生のための進路情報サイト「ミライコンパス」を運営しています。Web制作・SEO・デジタル広告を通じて、地元の情報発信を支援しています。

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